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日別アーカイブ: 2025年4月21日

関本建設のよもやま話~材質~

皆さんこんにちは!

株式会社関本建設、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~材質~

ということで、主要な舗装材の種類とその特徴を深掘りしてご紹介します。

道路は、私たちの暮らしを支える社会インフラの基礎であり、人とモノの流れを円滑に保つ“動脈”のような存在です。そんな道路を構成する重要な要素のひとつが「舗装材」、つまり道路の“材質”です。

一見どれも同じように見える道路ですが、その構造や材料は、通行量・車両の種類・気候条件・周辺環境など、さまざまな要因を考慮して選定されています。


道路舗装の基本構造

まず、舗装材の特徴を理解するには、道路の構造を知ることが重要です。道路は通常、以下の層で構成されています。

  1. 表層:車両が直接接する最上層。耐摩耗性や滑り抵抗性が求められる。

  2. 基層:荷重を分散するための中間層。舗装の寿命に大きく関係。

  3. 路盤(上層・下層):構造全体を支持する層。荷重を地盤へ効率的に伝達。

  4. 路床(地盤):舗装の最下層で自然地盤や土工によって整備。

この中でも、表層に使用される舗装材は、道路の機能性・安全性・耐久性を決定づける非常に重要な要素です。


主な道路材質の種類と特徴

1. アスファルト舗装

日本で最も多く採用されている舗装方式。表面が黒く、柔軟性があり、施工性に優れる。

主な特徴

  • 柔軟性があり、小さな地盤変動にも対応

  • 比較的低コストで施工が早い

  • 再生アスファルトとしてリサイクル可能

  • 耐水性・防滑性の高い合材も多い

用途

一般道路、高速道路、住宅街の生活道路など

バリエーション

  • 密粒度アスファルト混合物(標準)

  • 排水性舗装(雨天時の視界確保・水はけ向上)

  • 高耐久アスファルト(変形やひび割れに強い)


2. コンクリート舗装

白っぽく、硬質な表面が特徴。耐久性が極めて高く、重交通路線や空港、港湾などに多く採用される。

主な特徴

  • 耐荷重性・耐摩耗性に優れる

  • 耐久年数が30~50年と長い(アスファルトの約2倍)

  • 照り返しによる視認性が高い

  • 冬季は凍結しやすいデメリットもある

用途

  • 工場敷地、バスターミナル、港湾、高速道路の一部

注意点

  • 初期費用が高く、施工に時間がかかる

  • 地震や凍結によるひび割れリスクあり(目地設計で対策)


3. インターロッキングブロック舗装

色と形の組み合わせが可能なブロック状の舗装材で、美観と水はけに優れた舗装方式。

主な特徴

  • 意匠性が高く、公園や歩道などに適する

  • 透水性タイプは雨水の地中浸透を促す

  • 破損時に部分的な交換が可能

用途

  • 歩道、駅前広場、公園、公共施設のアプローチなど

デメリット

  • 重交通には不向き

  • 雑草や沈下への対策が必要


4. 透水性・排水性舗装

アスファルトやブロックの一種で、雨水が舗装表面に溜まらないよう設計された機能性舗装。

特徴

  • 水たまり・スリップの防止

  • ヒートアイランド現象の軽減

  • 下層への雨水流入による都市型水害の緩和

用途

  • 歩道、自転車道、住宅街、景観道路

注意点

  • 汚れが目詰まりを起こすと性能が低下する

  • 定期的な洗浄や保守が必要


5. ゴムチップ舗装・樹脂舗装

弾性に富み、安全性の高い歩道用舗装材。特にバリアフリー化に対応した場所で多く使われる。

特徴

  • 転倒時の衝撃を吸収しやすい

  • デザイン性が高く、色分けが可能

  • 防音性・透水性にも優れる

用途

  • 保育園や小学校の園庭、ジョギングコース、点字ブロック周辺

デメリット

  • 耐久性はアスファルトに劣る

  • 高温で変形しやすい場合もある


材質選定の基準と課題

舗装材の選定には、以下のような多様な要素が関係します。

  • 交通量と車両の種類(軽車両・大型トラック・バス)

  • 自然条件(気温差、積雪、降水量、地震)

  • 周囲の景観や環境保護

  • 施工コストとメンテナンス費用

  • 耐久性・安全性・利便性

近年では、ライフサイクルコスト(LCC)を考慮した舗装設計が主流となりつつあり、初期費用だけでなく、維持管理・補修のしやすさも重視されています。


おわりに

道路舗装は、私たちが毎日当たり前のように歩き、走っているその「足元」を支える技術です。使用されている材料や構造には、数十年先を見据えた設計思想と技術力が詰まっています。

単なる「道をつくる」だけでなく、安全・快適・持続可能な都市や社会をつくるために、舗装材の選定はますます高度化・多様化しています。これからも、より強く、優しく、美しい道を目指して、道路材の進化は続いていくでしょう。

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