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皆さんこんにちは!
株式会社関本建設、更新担当の中西です。
さて今回は
~道路舗装の耐震性~
ということで、道路舗装の構造と材料の選定における耐震性・耐久性、そしてそれらを確保するためのメンテナンス時期について深く掘り下げて解説します!
道路は、日常の通勤・物流・救急対応など社会機能の根幹を支えるインフラです。その「足元」である舗装構造には、膨大な荷重や自然環境への対策が求められます。特に日本は地震大国であり、耐震性と長期的な耐久性、そして適切なメンテナンスが不可欠となっています。
道路舗装は、大きく分けてアスファルト舗装とコンクリート舗装の2種類が主流です。
一般的に用いられる多層構造は以下の通りです:
表層(アスファルト合材)
基層(粗粒アスファルト合材)
上層路盤(クラッシャーランなど)
下層路盤(再生材・土質安定材など)
路体(土工部)
この構造において重要なのが、層ごとの密着性と弾性特性です。アスファルトはある程度の柔軟性があるため、地震による小規模な地盤変動や熱伸縮に追従しやすく、ひび割れを抑える構造が可能です。
コンクリートは剛性が高く、重交通道路や港湾部など高荷重がかかる場所に適しています。ただし、アスファルトに比べてひび割れが入りやすく、地震動にはやや不利です。そのため、継ぎ目(ジョイント)の設計や鉄筋補強、緩衝材の使用によって耐震性を確保しています。
地震による道路被害の代表例には、段差、沈下、ひび割れ、液状化による隆起などがあります。これらに対応するため、以下のような技術が導入されています。
ポリマー改質アスファルト(PMA)や排水性舗装を使用
弾性を高め、振動吸収性を持たせることで、地震の揺れによる応力を分散
セメント系安定処理材や石灰系安定材を用いて地盤を強化
不同沈下や地震時の液状化対策に有効
地震のシナリオや地盤の揺れの特性をシミュレーション
地震後の通行性確保(L2 地震動)を前提に設計することも増加
道路は常に交通荷重や自然環境にさらされています。これに耐えるための耐久性強化の取り組みは年々進化しています。
技術 | 特徴 |
---|---|
ポーラスアスファルト | 排水性が高く、表面の水膜を減らすことで摩耗・劣化を軽減 |
再生アスファルト | リサイクル材を使用しながらも一定の耐久性を維持 |
長寿命舗装 | 厚層化・基層強化によって耐用年数を10年→20年へ延長 |
表面処理材(シーリング・コーティング) | 紫外線・酸性雨による劣化を防止 |
舗装の耐久性を確保するには、早期の点検と定期的な補修が不可欠です。特に小さなひび割れや変形を早期に発見し対応することで、大規模な補修の回避とコスト削減が可能になります。
メンテナンス内容 | 実施目安 | 対象 |
---|---|---|
ひび割れ補修(クラックシール) | 施工から3~5年目 | 表層の小さな割れ |
表層打ち替え(ミリング・オーバーレイ) | 8~12年目 | 路面摩耗、変色、滑り抵抗低下 |
路盤補修 | 10~15年目 | 沈下、段差、排水不良 |
全面打ち替え | 15~25年目 | 根本的な劣化が広がった場合 |
定期的な道路点検(舗装の損傷評価)は、国土交通省の「道路メンテナンスサイクル」にもとづいて実施されています。
老朽インフラの増加 1970年代に整備された道路の多くが寿命を迎えており、大規模更新が必要。
人材・予算の不足 メンテナンス需要に対して、施工業者や技術者の確保が追いつかない。
AI・IoTを活用したスマートメンテナンス ドローンやAI画像診断を用いた劣化の自動検出、維持管理の効率化が進行中。
地震対策とバリアフリー化の両立 舗装の段差抑制・滑り止め性能など、さまざまな要件への対応が必要。
道路舗装は、単なる「道を作る」作業ではなく、安全で持続可能な社会基盤を築く重要な土木技術のひとつです。特に日本のような地震多発国においては、耐震性・耐久性・維持管理のバランスが求められます。
どんなに良い材料を使っても、正しい設計と定期的な点検・補修がなければ長く持ちません。道路は、人・モノ・地域をつなぐ「ライフライン」。それを守るための知恵と努力が、今日も地面の下で積み重ねられているのです。
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